コーポレートサイト制作の現場から転職し、オルトプラスの創業期から活躍。デザイナー兼プロジェクトリーダーとして、数々のヒット作誕生にかかわる。
以前は福岡の制作会社で、コーポレートサイトなどの制作をしていました。FlashからJavaScript、コーディング、さらにはバックエンド(LAMP)も担当。Flashのスキルを高めるため東京で働いてみたい、と思っていたことが、オルトプラスに入社したきっかけでした。もともとネットゲームが好きだったこともあり、創業と同時に入社しました。
最初に携わった仕事は、オルトプラスのオリジナルゲーム第一弾「ダービーズキングの伝説」という競馬ゲーム。当時はまだ社員数も5、6人しかいなくて、本当に大変だったのですが、全員モチベーションがすごく高かったのを覚えています。
競馬の経験がなかったので、詳しい先輩に競馬場に連れて行ってもらいながら、どうすればゲームを面白くできるだろうと試行錯誤していました。うれしいことにリリース後は一気にヒットし、その年(2010年)のGREE Platform Awardも受賞できた。一生懸命作ったものが結果を出せたので、本当に感動しました。
Webデザインや動画技術の面白さは、100万人規模のユーザーの視覚に直接訴えることができること。「どうすれば見た方に驚いていただき、記憶に残すことができるか」と考えながら作るのは、すごく楽しいですね。Flashが使われる場面はいろいろあって、バトルシーンとか、レベルアップしたときの演出とかもそう。新しいカードのリリース時に演出を担当して売上げが上がったりすると、「自分の演出が売上げに貢献できた」と実感できる。ですから、売上げや利用者数などの数値はいつもチェックしています。
演出の鉄則は「重くならない(ユーザーにストレスを与えない)」こと。ソーシャルゲームの世界では、それが原因でユーザーが離れてしまうこともあるんです。かといって、伝えたい情報を伝えられなくなってしまうのも困る。0.1秒単位で演出の「尺」を計算して、驚きと情報の両方を与えられる演出方法を考えるのが、デザイナーの腕の見せ所。オルトプラスの場合、個々のデザイナーに決定権が与えられており、自分の思い描いたとおりの演出を実現できるので、やりがいがあります。
プロジェクトリーダーとして関わったタイトルの中で印象に残っているのは、RPGカードゲーム「バハムートブレイブ」。担当してから2ヶ月ほど経った頃はユーザー数が伸び悩み始めていました。しかしそこで諦めるのではなくチームのみんなと施策を試行錯誤を繰り返した結果、当時のオルトプラス史上最高の月間売上げを達成できました。ユーザーのニーズに合わせてサービス展開する、ソーシャルゲーム運営の醍醐味ですね。
ソーシャルゲーム開発の面白さは、無から価値を創出する錬金術的な要素にあると思っています。私たちが苦心して作り上げた遊びや世界観に、ユーザーはお金を払って楽しんでくれる。これからはゲームに限らず、Webサービスやネイティブアプリなど、いろんなジャンルのサービスを作ってみたいですね。
経営陣も、厳しいことは言いつつ、最終的には責任をとってくれるような優しさがある。だから、失敗を恐れずに思い切ったチャレンジができるんです。自分で考えて提案することにモチベーションを感じられる方にとっては、本当に楽しい環境だと思います。